ホンダ N BOX JF1 の 車検整備
今回は車検のことをブログに書きたいと思います。
弊社の営業形態ではまず一番に力を入れている分野はホームページを見てもらってもわかる通り自動車鈑金塗装です。
ホームページには
キズヘコミ 事故 保険修理の専門工場
鈑金塗装ならお任せください
といったスライドが流れてページ内のいたるところに
山梨県の甲府市で鈑金塗装ならぜひKaZuにお任せください
山梨県の甲府市で鈑金修理・塗装を行うトータルカーサービス KaZuは
といった文言が連なっていると思います、くどいかもしれませんがこれもグーグルやYahooといった検索エンジンにヒットしやすくするための対策です。
職業を聞かれると「自動車の鈑金塗装屋です」と答えております
しかし弊社は同時に国土交通省関東運輸局長から認可を得た自動車整備認証工場でもあります。
昔の鈑金塗装屋さんは整備認証工場資格を持たずに運営している工場がほとんどでした。
当の私の会社も2002年の開業当初は未認証工場でした。しかしどんな事故を起こして入庫してくるかわからない車の修理をする際どうしても法的に分解してはいけない箇所にも損傷が波及し分解整備もせねばなりません、ましてや近年の車はハイブリッド車やEV車をはじめ先進装備などもついており整備の勉強もしなければ直すことはできませんし、認証工場を取得していなければ得られない車両情報もあります。
要するに弊社の行っている小さな傷ヘコミから大きな事故、保険修理などを生業とさせてもらう上では分解範囲も広く整備認証工場資格は必須であるわけであります。
お客様の大切なお車を安全安心に修理させてもらうために開業後、法令とコンプライアンスを順守して認証工場資格を取得しました。
一般ユーザーの方に申し上げたいのですが車屋さんの看板を出してツナギを着ている全ての工場が整備認証工場ではありません。
未認証無資格にて本来分解してはいけないところを分解整備しお客様からお金を取っている工場や、ユーザー車検代行をして整備代などを請求している、言うなれば違法行為をしている業者さんがいるのも事実です。
大切なお車を預ける前にユーザーさんもきちっと工場側に確認をしてもらえればと思います。
整備認証工場とは
運輸局長の認証を取得して自動車の分解整備を事業として経営できる工場であり、自動車の種類によって「普通自動車」「小型自動車」「軽自動車」の3種に区別されており、取り扱い車種と装置により人員・設備・面積が決められている。
人員=2人以上かつ全工員の1/3以上が自動車整備士の有資格者でなければならず、整備士の中から整備主任者を1人以上選任しなければならない。
面積=取扱車種により軽自動車整備工場の50.25m2以上から普通自動車整備工場の180.5m2以上までと決められている。
設備=指定された作業機器、テスター等測定機器を用意する必要がある。
ということで整備認証工場である弊社は車検も承ります。
鈑金塗装がメインだと言っているからといって車検整備に手を抜いたりはしておりません。
一概に車検といっても一般のお客様に車検整備が終わり納車させてもらう際に定期点検の結果を写真や記録簿を見てもらいながら説明を私なりに丁寧にさせてもらうのですが、意外と車検の中身って実際どのような事を行っているのか理解されていないお客様が多いと感じています。
それは我々自動車整備士がお客様目線でしっかりと説明をしてこなかった責任もあるかと思いますし、またお客様の中でも車や機械といったものに関心もなく説明しても聞いていないオーラ満載の方もいらっしゃいます。(説明の仕方が悪いのかな?笑)
今日は私のわかる範囲で弊社にて最も多く行われている普通乗用車、軽乗用自動車の車検について書かせてもらいます
自動車に乗っていれば必ずやってくる車検、自動車の維持費の一部であり余計なお金がかかるだけと思っている方もいらっしゃると思いますが
そもそも車検とは?
皆さんがお使いのお車が国土交通省の定めた保安基準に適合しているかどうか定期的に検査・確認するためのもであり、自動車検査登録制度の略です。
小型特殊自動車を除く自動車と、250cc以上排気量を持つのバイクは一定期間ごとに国土交通省が定めた検査を行う必要があります。
この検査をパスすることにより自動車検査証(車検証)の有効期限が2年(貨物車やレンタカーなどは1年)延長できるといった具合です。
当然ですが車検証の有効期限切れの車で公道を走行することは法令違反になります。
車検は基本的には運輸支局の検査場で行なわなければなりません。自動車整備業者は車検の依頼があったユーザーのクルマの点検整備を行ったうえで運輸支局に持ち込んで検査を受けます。
今回はタイトルにもあるホンダ NBOX JF1型の車検整備を弊社で行った内容で説明します。
まず我々が行う点検整備とは
〇かじ取り装置
ハンドル
(操作具合)
ギヤ・ボックス
(取付の緩み)
ロッド、アーム類
・緩み、がた、損傷
・ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂と損傷
かじ取り車輪
・ホイール・アライメント
パワーステアリング装置
・オイル漏れ、オイル量
・取付の緩み
〇制動装置(ブレーキ系統)
マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリパ
・機能、摩耗、損傷
ブレーキ・ドラム、ブレーキ・シュー
・ドラムの摩耗及び損傷
ブレーキ・ディスク及びパッド
・ディスクの摩耗及び損傷
〇走行装置
ホイール
・フロント・ホイール・ベアリングのがた
・リヤ・ホイール・ベアリングのがた
〇緩衝装置
サスペンションの取付部と連結部
・緩み、がた、損傷
ショック・アブソーバ
・油漏れ及び損傷
〇動力伝達装置
プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフト
・自在継手部(ユニバーサル・ジョイント)のダスト・ブーツの亀裂と損傷
デファレンシャル
・オイル漏れ、オイル量
〇電気装置
電気配線
・接続部の緩み及び損傷
〇原動機(エンジン)
ファンベルト、A/Cベルト摩耗及び損傷
スパークプラグ、バッテリー
オイル漏れ及び劣化
燃料漏れ
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置
ブローバイ・ガス還元装置
・メターリング・バルブの状態
・配管の損傷
燃料蒸発ガス排出抑止装置
・配管等の損傷
・チャコール・キャニスタの詰まりと損傷
・チェック・バルブの機能
一酸化炭素等発生防止装置
・触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付の緩みと損傷
・二次元空気供給装置の機能
・排気ガス再循環装置の機能
・減速時排気ガス減少装置の機能
・配管の損傷取付状態
エグゾースト・パイプとマフラー
マフラーの機能
車枠(フレーム)、車体(ボディー)
・緩み及び損傷
上記の内容が車検整備の際に行う24ヶ月点検項目です。
この24ヶ月点検を国家資格を持ったスタッフが行いお客様に安心してお乗りいただける状態にしてから上の写真の24ヶ月点検記録簿に点検結果を記載し運輸支局に持ち込んで検査を行います。
点検中を抜粋した写真で説明していきます。
こちらはエンジン系統、エンジンオイル、エンジンオイルエレメント交換、エアークリーナーの汚れ、スパークプラグの摩耗で交換させてもらいました。
こちらはフロントブレーキディスクパットの分解整備、摩耗具合やブレーキパットの残量確認、オイル漏れチェック、作動チェック清掃など行います。
こちらはリヤブレーキの分解整備、この車種はフロントに使われているディスクブレーキとは違いリヤはドラム式ブレーキというのを使っております。
通常のブレーキだけでなくサイドブレーキもこのドラムブレーキを併用しております。
フロントブレーキ同様に摩耗具合やブレーキシューの残量確認、オイル漏れチェック、作動チェック清掃など行います。
こちらはブレーキオイルの交換です、オイルの劣化交換時期だったため交換させてもらいました。
抜いたオイルと新しいオイルを比べると色だけでも一目瞭然です。
アンダーボデー下廻りの錆を落とし防錆塗装をさせてもらいました。放っておくとパーツ自体の錆損傷が広がり車の寿命を縮めるだけでなく危険が伴う場合もあります。
ヘッドライト表面が経年劣化により曇ったガラスになっておりました、ライトの光量検査をパスするためにそして何より夜の運転が安全になります為に
磨きと簡易コーティング施工をさせてもらいました。
こちらはOBDⅡテスターというものを使いコンピューターチェックです、異常信号等出ていないかのチェックです。
全て 異常なし でした。
そしていよいよ陸運支局へ持ち込んでの本検査です。
本検査では
〇同一性の確認
同一性の確認とは、自動車検査証(車検証)に記載されている内容と持ち込まれている車が同一のものであるかを確認することです。
エンジンやボディに打刻されている番号と車検証記載の車台番号が同一かどうかを確認されます。
〇外回り検査
外回り検査ではヘッドライトやテールなどの灯火類の動作状況、ホイールナットの緩み具合、ワイパーやクラクションが正常に動作するかの確認を行います。
車内のメーターパネルも確認され警告灯などが点灯していないかのチェックもされます。
ここから専用の検査ラインに入っていきます。
このとき我々は検査官の指示通りに運転し検査作業の項目指示に従います。
〇サイドスリップ検査
サイドスリップ検査というのはハンドルがまっすぐの状態で車がしっかりと直進できるかどうかをチェックするためのものです。ハンドルをまっすぐの状態にしたまま専用テスターの上を走行し左右に振られないかの誤差を計測します。
〇ブレーキ検査
ブレーキ検査ではブレーキとサイドブレーキの制動力を確認します。専用のローラーの上にタイヤを乗せた状態で指示に従ってブレーキやサイドブレーキを操作していきます。
〇スピードメーター検査
スピードメーター検査では、走行速度とスピードメーターの示す数値の誤差を計測します。
検査では計測ローラー上でスピードメーターが40km/hになるまで車を加速させ検査場の計測器と比べてどのぐらい誤差があるかを計測します。
〇ヘッドライト検査
ヘッドライト検査ではヘッドライトの光量(明るさ)と光軸(向き)の検査をします。
〇排出ガス検査
排出ガス検査ではマフラーから排出されるガスに含まれるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の濃度を計測します。
専用の排ガステスターを計測器をマフラーの出口に差し込み計測します。
〇下廻り検査
下廻り検査では検査官が車体の下に潜りオイル漏れやボルトの緩みマフラーやその他パーツ類が適切に取付されているか?ドライブシャフトブーツなどの劣化や亀裂の有無などを確認します。
以上のように8項目の検査をパスし晴れて自動車検査証の更新が可能となります。
今回はたまたま弊社の行った車検内容を説明させてもらいました。
これは甲府市にあるたった一つの自動車修理工場にて行われたほんの一例です。
メーカー直系のディーラーさんやカーショップ、近年ではガソリンスタンドなどでも車検をやっています。
各々の会社さんによって点検の仕方も行程も料金、保証体系も様々です。
車検は大切なお車の健康診断です。安全安心なカーライフを過ごしてもらうためにもお客様自身車検なんてどこでとっても一緒だ、といった概念は捨ててもらい、信頼できる工場さんにて愛車の健康診断をしていただければと思います。
今日も一日に感謝